前回は、「日本語とロシア語1」ということで、言語の面からロシア語を見ていきました。
外来語として入ってきたロシア語が、実は日本語となじみのある語が多かったり、また、ロシア語の大まかな特徴というものを取り上げました。
そこからロシアと日本の音声に対しての教育観の違いについてお話しました。
ロシア人の耳と好む音楽♪
今回は、少し音楽に近づいた内容をお届けいたしましょう。
英語のリズムと同じようにロシア語もリズムをとるのでしょうか?それとも中国語のリズムの影響を受けているのでしょうか?
そうすると、耳のこともお話しないとなりません。当然声のことも・・・。
はい。ロシア人の耳と好む音楽についてです。
ロシア語のリズム
先ず耳からの情報を元に、どうリズムを腰で感じ取っているのでしょうか?これはロシア語のリズムがどんな言語リズムなのかを知る必要があります。
日本語は、拍(モーラ)が軸となる言語です。簡単に言ってしまうと、原稿用紙一マス分が時間的なまとまりを表す音の単位となるのです。
「きゃ」「しゅ」「ちょ」などの拗音も1拍(モーラ)分となります。
一方、ロシア語や英語は音節(シラブル)が軸となる言語です。音の聞こえ方のまとまりのことです。1音節の中には必ず1つの母音が含まれています。
それが言葉のリズムとなって現れた時にどうなるか?
音節リズムと強弱リズムに分けてお話しましょう。
音節リズムとは、音節どうしが一定の長さになるように刻まれるリズムです。日本語、イタリア語、フランス語などが音節リズムをもつ言語です。
つまり、日本語は、モーラ拍を軸として音節リズムをもつ言語なのです。
強勢リズムとは、強勢アクセントから強勢アクセントまでの間が等間隔になるように刻まれるリズムのことをいいます。ロシア語(スラブ語派)、ドイツ語(ゲルマン語派)、英語(これもゲルマン語派)などが当てはまります。
*余談ですが、この内容、平成29年度の日本語教育能力検定試験、試験Ⅰ問題3に出てましたね~♪
ロシア人やウクライナ人は総じてダンスが得意という話をよく聞くことがあります。リズム感がいいんですね。考えてみれば、フィギュアスケートで滑る(演技をする)のも、土台はリズム感ですからね。
ここから、前回のロシア語とロシア語を話す人々の続きです。
ロシア語とロシア語を話す人々(聴覚と音楽)
1.音に硬い音、柔らかい音がある
2.方言がない
3.規範的な発語発話を指導する人が立派な職業として存在する
は、前回の記事「日本語とロシア語1」を参考にしてください。
4.耳が良い
ロシア人をはじめとするスラブ系の民族は、耳の感度が良いといわれています。耳が良いということはどの帯域でも聴き取り聴き分けられる能力がある。ということは語学が出来るので複数の言語を話せる。別の言い方をすると音に対してのくらいつきが良い。
ということは声が良いということにも繋がってきます。
でも、声が良いのに歌が上手いと聞いたことは、あまりありませんw
何か不思議な感じがしますね。
声の良さと歌の上手さとは別物であるということです。
声そのものは良いとは言えないんだけれど歌が上手い、フレーズの処理が上手という人を何人も知っています。そんな人はパラ言語情報ではありませんが、声の周りの環境やフレージングに気を配っている。僕はそのように感じています。
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5.マイナーな曲が好き?!
マイナーというのは、マイナー進行の曲という意味です。
もちろんロシア人もメジャー進行の曲は聴かない訳ではないでしょう。
ロシア民謡はマイナー調としての曲しか聴いたことがないです。ロシア民謡でメジャー調の曲があったら教えてください。
カチューシャ(ロシア語:Катюша)は、元はロシア語などによく見られる女性の人名、エカテリーナ(エカチェリーナ;Екатерина イカチリーナ)の愛称形といわれています。ニュアンスとしてはさん付け程度の意味から、親しげなニックネームのような呼びかけまで幅があるそうです。
エカテリーナ<カーチャ(Катя)<カチューシャ
の順で親密度(親称、愛称)の高い呼び方となります。
さて、音楽、楽器を演奏されている方にとっては、マイナーといっても数種類のスケールが在るのはご存知ですよね。
今後、機会があったらロシアの人に
- ナチュラルマイナースケール(自然的短音階 エオリアンスケール)
- メロディックマイナースケール
- ハーモニックマイナースケール
どれが好きなのか伺ってみたいです。
▼メジャースケールとマイナースケールについてはこちら(外部サイト)
アノ娘たち・・・今どうしてる?
もう14年~15年も前でしょうか? t.A.t.U(タトゥー)という二人組ロシア人の女の子ユニットがいたことを覚えていますか?
確か日本でヒットした曲も、マイナー進行でしたね。
ドタキャンだったり何かとお騒がせ?グループのようでしたけれど、どこか憎めない愛らしさが良いといった声も・・・。勿論ドタキャンはいけません。
2011年にグループ解散を発表。ソロ活動へ。2013年、お菓子のスニッカーズ新CMへの起用を機に7年ぶりの来日。
あの
の内田裕也さんと対談し、ロックフェスティバルへの出演をしたり、スニッカーズのCM収録をしていたことは一部の方なら知っている話だと思います。