今回は側音化構音の治し方、その道筋をお伝えいたします。
意外な楽器が側音化構音を治す練習になるんではないか!そんな仮説(笑)も織り交ぜながら書いていきましょう。
その前に、復習の意味で以下の記事にも目を通していただけるとよいでしょう。
▼側音化構音についてのこと
身近に起こる「声のトラブル」に気をつけよう➡ 構音障害-側音化構音の頁へ
息の出し方と舌の動き方を確認♪
ということは、確実に下あごとも関係してくるわけです。
日常会話、発話の段階で改善しないとならないので、
- 下あご、舌の位置を意識する→
- そうすることで、息の流れを整える→
- そして、息をまっすぐに出す
といった流れが大切になってきます。
また、生徒さんによっては体幹を鍛えるようなトレーニングも必要かもしれません。
側音化構音改善のための流れは?
人によって症状が違いますが、ここでは意外と多い発声の時に息がまっすぐに出ていかず、片側から出る量が多いタイプの人への道筋です。
1.下あご、舌の位置を意識する
まず、口を開けるとはどういうことか?を確認をします。
▼下あご、口の開け方に関しての記事はこちら
次に、口をつぐんだ、つむった時の舌の位置を再確認します。【下の図参照】
舌を上あごに吸いつけて鳴らす直前の状態。そこが正しい舌の位置とされています。
ところが、そうならない人がいます。舌が前歯にくっついてしまっている人、いませんか?
口を閉じたとき、舌が前上歯の裏についてはいけないってことを!
その他、舌が上あごから離れている状態を低位舌といいます。舌の筋肉が弱く下がってしまった状態です。これを治していきましょう。
2.息の流れを整える
生徒さんの中には、息の流れが片側から多く出ていることを自覚している人もいます。
そんな方のためにストローを使って吐くやり方があります。他のサイトでもよく出ている例です。
舌を少し出し、その上にストローを置いて両唇で挟みます。このときストローを歯で噛まないでください。
息をそっと出します。ストローに向けて強く吹き込まないこと。あごをラクにして息を流さないと、舌の脱力になりません。
舌は少し出したままで、口構えもそのままで少しずつストローを抜き去っていきます。
スー[s:]、またはシュー[ʃ:](無声後部歯茎摩擦音)[ɕ:](無声歯茎硬口蓋音)という音がでていればオーケーです。
3.息をまっすぐに出す
次に、出した舌を少しずつひっこめながら息を吸います。ストローでジュースを飲むような吸い方です。
今度は、息をまた出して(吐いて)みます。
口から抜いたストローを再び口に近づけ左右に振ってみましょう。口の真ん中で「スー」「シュー」となっていれば、息はまっすぐに流れています。
4.そして調音(構音)に入っていく
調音(構音)のやり方は、
両唇音の習得から始まり、唇の力加減で[p][b][m]と音が変わることを少しずつ体感していきます。その次に舌を使っての調音になります。
症状のない人でも発声にかかわりのある筋肉を鍛えることは、一朝一夕にはできませんからね。
ハーモニカを吹く時と似ている!
この息の吐き方吸い方は、ハーモニカを吹く時と似ています。というのは、やってみて気づいたんですが。
でも、この仮説が正しいとするなら、側音化構音、特に息の流れがまっすぐに出ていかない人は、みんなハーモニカを練習すると良い、ということになりますかね。