以前、このサイトでリズムのお話をしたときに、
- 拍
- 拍子
- テンポ
- タイミング(ノリ)
の説明をして、リズムにはこれら4つの要素が必ずあるということ、皆さんは覚えていますか。
覚えていますかね?(笑)
今回もリズムに関係した内容をお伝えします。
リズムの感じ方についての差♪
よくレッスンでリズムを行う時、導入部分としてお話することがあります。
あなたが人の歌を聞いたとき、
こんな感じ方をしたことはありませんか?
実はですね。こういう時、たいていブレスポイントであるタイミングやリズム感に問題があることが多いんです。
リズム感覚って民族の辿ってきた歴史によって違いますよね。
それは、その民族が長い歴史の間に「どういった暮らし方をしてきたのか?」によって変わってた軌跡があるからです。
よく言われているように、われわれ日本人は農耕水田民族です。なので1拍目を大きくゆっくりと振り下ろす様な感覚です。
さらに曲の中でリズムのアクセントが絡んでくると、国民性からか1拍目をとても強調したがります。(今回の記事でいうところのアクセントは、音楽用語としてのアクセントです)
▼アクセントのことについてはこちら
その結果、昔の応援歌(?)のような歌い方をする生徒さんも出てきてしまいます。
某有名大学の校歌、学園歌、応援歌などがそれにあたるのかな。
だからといって、日本人のリズム感の悪さと結論付けるのは「?」です。
僕自身、日本人のリズム感覚は悪いとは思っていませんから。
拍を感じながらそこにハマる音を考えてみる
じゃあ、かっこよくリズムを刻める人とそうでない人の差は?
同じ日本人でもいわゆるリズム音痴とそうでない人がいます。その差はいったいどこからくるのでしょうか?
日本型のR&B、ラップが流行っていた頃、リズム感の良いアーティストも大勢いました。あ、、今でもいますね。
この違いは、捉え方の違いだと感じています。
ここでわらべ歌を思い出してみてください。
例えば、花一匁(はないちもんめ)
元々は香川県のわらべ歌です。この歌遊びはやったことがありますか?
二組に分かれて横一列で手をつなぎ、
(途中略)
と、歌いながら相手の方に蹴り?をいれてゆく遊びです。
▼こちら
花いちもんめ(香川の子守唄)
次に子供たちが動いている映像のものをクリックしてください。上から2段目の映像です。(これはちょっとそのままリンク貼るのはためらいました)
これ、よくよく観察するとリズムのとり方が何かヘンだと思いませんか?
つまり、
歌は跳ねている なのに、動きは跳ねていない!
僕が子供の頃遊んだのを思い出しても跳ねていなかった記憶があるんです!
跳ねながら歌ってみてください。何となくやりにくい歌いにくいでしょう?(苦笑)
これ、ウラ拍がどうのこうのというよりも1拍目をどう置いて次に進むか?その次の2拍目は?その時に大切なことを見逃している、聴き逃している、体感しそこなっているからだと思っています。
それは何でしょう?
アクセントの置かれる音は?
まず、この曲のリズムを把握しましょう。それがバラバラなので動きがぐちゃぐちゃになってしまうんですね。
イーブンで書いてある譜面もありました。
ですが、ここでは3連、基本として付点8分音符をつけて跳ねているリズムとして話を進めましょう。
余談ですが、「はないちもんめ都市伝説」の動画に付点8分バージョンの譜面がありましたw
そして次です。数字のところ、つまり表拍のところを手を叩きながら歌ってみてください。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||||||||
か | ぁ |
っ あ(っ) |
て | うぅ | れ | しぃ | い | はぁ | な | いぃ | ち | もぉ | ん | め | (休符) |
k | a | aɁ | te | ɯ | ɾe | ɕi | i | ha | na | i | tɕ(i) | mo | m | me |
*表内一番下の段の記号は、IPAの発音記号表記。
なお、(i)の表記は歌っていると母音が無声化する人もいるためこのような表記としました。
譜面はちょっと・・・(汗)という人のために、出来るだけ分かりやすく表にしたつもりです。さぁ、この表からどんなことが分かるでしょうか?
3拍目から7拍目までが一定の間隔でリズムが刻めます。8拍目の「め」は16分の長さなので短いです。
まず、問題は1拍目を置いた次の2拍目に取りずらい促音「っ」が来ているということです。
特殊拍の「ん」「っ」は、リズムをどのようにとるかだけではなく、発音の仕方など本当に特殊な要素が多いので、かなり注意しなければなりません。
むしろ2拍目は、
のように促音「っ」ではなく、母音の「あ」を入れ、そこにアクセントを置く方が、全体としてリズムがとりやすいでしょう。
次に、7拍目のウラ拍にある「ん」の処理についてです。
これは逆行同化といって後の音が「め」、つまり[m]で始まる音になるため、その前にある「ん」は唇を閉じないと発音できないしくみになっています。
「ん」が出てくると、ここで初めて?跳ねているといった感覚が出てくると思います。
まとめ メロディとなる要素に注目
全ての言葉にはメロディになる要素が含まれています。つまり子音にも母音にも要素が含まれているよという事です。
これまで子音だけアクセントを置いていませんでしたか?
また、ウラ拍はもちろん大切ですが、ウラ拍の前に表拍から2拍目をどうするか?
その進行過程で出てくるのがウラ拍なのです。まず表拍があってこそのウラ拍だといえるでしょう。
その時、以下の音に注意をして処理をしましょう。
☑アクセントをつけなければならない母音にアクセントをつけていないと、リズムがずれます。
☑促音:つまる音 「っ」をどう歌っていますか?本当に詰まっていますか?詰まった音だけですか?
☑撥音:跳ねる音 「ん」をどう歌っていますか?ただ跳ねるだけでなく言葉によって発音のやり方が変わります。
☑拗音:ねじれる音 「きゃきゅきょ」などイ段の子音に「やゆよ」のついた音です。
☑引く音:のばす音 「おとうさん(お父さん)」「えいこう(栄光)」など、文字表記通りの発音ではありませんね。ここにアクセントがきたときの歌い方は?
促音、撥音、拗音はメロディが低いか?高いか?によって歌う処理の仕方が随分と違ってきます。なのでレッスの時に、担当トレーナーと相談しながら決めていきましょう。
さらに、以下の記事も参考にしてください。
リズムと発音には、切っても切れない関係にあるのでした。おしまい。