言葉というものは時代とともに変わってゆきます。それに伴い、出している音も時代とともに変わりますね。例えば、昔のままだったら古文で習った言い方(時代にもよりますが)になってしまいますよね。
今回のテーマは音声教育。
幼児期からしっかりとした音声教育をしなければならないなあ。
ということをお伝えしたい記事の内容です。
音声教育は幼児期から
ここで勘違いしない手頂きたいことがあります。それは
ウチの子、キッズ英会話やってるよ。
と言いそうな親御さんです。
つまり、広い意味での音声教育ととらえてくださいね。英語の発音だけではなく、母語、母国語も含めての音声教育のことを言いたいのです。
母語と母国語
さて、母語と母国語は、良く同じような意味合いで使っている方もいらっしゃるようです。しかし、このふたつの用語は必ずしも同じ意味とは限りません。
まず、母語というのは第一言語のことを指します。
【第一言語】
・「おぎゃあ」生まれて最初に接触した言語
・最初に習得された言語、つまり母語
・日頃、最もよく使う言語
これに対して、母国語とは自分の国籍の言語、つまり国籍と関係する言語のことを指すのです。
このように母語と母国語では意味が違います。日本の場合、「母語」がそのまま「母国語」になるケースが一般的です。しかし、次のようなケースでは「母語」と「母国語」は異なるのです。
例)日本人夫婦がドイツに移住→ドイツで子供を出産→
その子の最初に覚えた言葉が日本語の場合、日本語が母語
後にその子がドイツ国籍を取得すれば、ドイツ語が母国語
音についての一番の先生は?
赤ちゃんにとって、音についての一番の先生は、「親または親族」です。何故なら、親または親族の音を一番初めに聞いて(耳に入れる)いるからです。つまり、赤ちゃんはまず耳に届く音をインプットするということなんですね。
赤ちゃんに音を教える場合、親または親族の方はご自身の出す音に自信があるでしょうか?
赤ちゃん(乳児)の音の習得のプロセスは?
それでは、赤ちゃん(乳児)はどのような順番で音を覚え、単語や語彙を覚えてゆくのでしょうか?
まずインプット、知覚からです。
生まれてから6ヶ月程度で音韻の弁別(音の聞き分け)が出来るそうです。その後、知覚的狭窄化という過程を経て10ヶ月くらいには母音に特化した音韻の弁別が出来るといわれています。
つぎに、アウトプット(産出)です。
2~3ヶ月位でクーイングを発します。クーイングとは両唇や舌を使わずに発する単音です。母音の土台はこの時期作られているんですね。そして6ヶ月位から喃語(規準喃語とも)をしゃべり始めます。喃語とは2音節以上の発声、または唇や舌を使う必要がある出す音のことをさします。
【参考】
乳幼児における発話の視聴覚統合と言語発達―発達科学の立場から― 今福理博氏 著 武蔵野大学
ことばの対照をさせながら音楽と並行してやるとオモシロそう
さてさて、小学校で英語教育をするのならば国語と対照をさせながら行なうことも面白いのではないか?と考えています。とはいうものの教材作りが大変でしょうが・・・。この場合、出来る限りその場で出来ることに重きを置いてみるとよいかもしれません。
小学校の英語の授業はどのようにしているかわかりませんが、発音記号(IPA:国際音声字母)に慣れ親しむ努力を小学高学年からつけておいた方が良いと・・・。それは英語でも国語でもです。そのように考えるのは僕だけでしょうか。
ここで比較、という用語を使わず、対照という用語を使ったのには理由があります。以下の記事にそのことが書いてありますので参考にしてください。
▼日本語と英語の歌 言葉から見るオモシロイ関係
▼話す・読むときの発声と歌う時の発声は同じ?
まとめ 時間が足りない!やるコトも多い!
だからこそボイストレーナーとの協力になってくるのです。ここまで書いてある内容、それを反対意見を抱きながらご覧になっているのは、学校関係の方々でしょう。それも現場の先生方からの意見が多い。そのように推測しています。
現在、生徒さんの中でも小学校の先生をしている方が数人いらっしゃいます。口をそろえて言う言葉が
忙しすぎる。
もう大変で・・・。
だからこそ、音声教育を専門としているボイストレーナーコラボをするというのも一方法です。さらにいえば、近いけれど遠くに感じる日本語教師(現場に立っていない方々)、日本語教育コーディネーターもその守備範囲かもしれませんよ。