厚生労働省が、マスクの着用について次のように記しています。
【マスクの着用について 厚生労働省ホームページ 参照】
これまで屋外では、マスク着用は原則不要、屋内では原則着用としていましたが
令和5年3月13日以降、マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。
本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、ご配慮をお願いします。
いわば、本人の考え方や判断に任せるということですね。
今回この記事では、マスクと声と表情についての勘違いについて記していきます。実は、分かっているようで分かっていないことも多いのです。
表情の豊さはマスクのあるなしとは関係ない
そういえば、マスクをしていると表情が分かりにくいといった声をよく聞きましたし、今でもそのように聞いています。こう言っている人たちは、マスクを外したらハッキリと表情が分かる、という考えでいるようです。
たしかにマスクをしていると表情は分かりずらく見えます。しかし、表情が分かりずらいのは本当にマスクをしているからなのでしょうか?
マスクを外したからと言って、すぐに声は出ない
さあ、ここで「声」のことを表情と合わせて考えてみましょう。そもそもマスクを外しても表情が乏しい人は、声も通らないことがほとんどなのです。何らかの言語障害の方を除いて10人中9人の割合でそうです。
つまり、マスク有り無しに関わらず表情が豊かな人は豊かなのです。裏を返せば声と表情の関係を探っていく方が良いのです。通る声の人は表情が豊かなのです。
声が先か?表情が先か?
声と表情に関しては、昔からいろんな試験実験を繰り返してきたようです。学術的な研究も数多くありますが、ここでは難しいことは省きます。よく引き合いに出されるのが「アルバート・メラビアンの法則」ですが、それだけではありません。
アルバート・メラビアンの法則 についての記事
声と顔の“表情”の裏側にあるもの
ところで、声と顔の“表情”の背景あるものとは何でしょう?
それは、感情です。
まずこのようなことをやってみてください。感情と表情を合わせて声を出してみるのです。いうまでもなく感情、表情、声のベクトルが同じ向きなのでやりやすいと思います。いわゆる喜怒哀楽を喜怒哀楽のまま素直に出しているということです。
次に、感情と表情だけを合わせて声を変えてみましょう。具体的には
嬉しい気持ち(感情)でニコニコしながら(表情)「頭にくる!腹が立つ!(声)」と言ってみる。
同じようなやり方で腹立たしいい気持ち(感情)でニコニコしながら(表情)「嬉しいなあ(声)」と発語しててみる。
さらに、楽しい気持ち(感情)で泣きそうな顔で(表情)「楽しいなあ(声)」と発話する。
声、表情、感情のバランスで考えてゆこう
やってみていかがでしたか?
このように声、表情、感情の三位一体でとらえてゆくことが大切なのです。
声が豊かにならないと表情も豊かにはなりません。その土台には感情があります。
言い換えれば、表情を豊かにするためには声と感情がマッチさせましょう。そうしないと何にもならないのです。というよりも、マッチしていないととてもやりにくいですし、何よりも聞き手(相手)も困惑してしまいます。