皆さんはボイストレーニングに対してどういった事をイメージしますか?
先日、ボイストレーニングで行うであろう8つ(9つの場合もあり)の項目を出して、アンケートをお願いしました。
大きく二つのジャンルに分け、歌う為のボイトレである音楽系ボイトレ、話す・読むボイトレの発話発語系ボイトレでアンケートを行なったんです。
そうしたら興味深い結果が出ました。
このサイトに訪れている皆さんとシェアしたく、今回コラム記事として載せていきます。
ボイストレーニングと言えば、コレでしょう♪
ここでステレオタイプについてお話します。
例えば、ドイツ人はビール好きとか、ビールは冷えている方が美味いに決まっているなど、型にはまった考え方のことをステレオタイプと言います。
偏見と似ていますが、偏見は個人的な見方です。相手との親密度によって偏見の度合いが違います。また、感情的(特に否定的)に判断してしまうこともあります。
厄介なのは、実際の根拠がなく独り歩きしてしまう場合もあるので厄介です。
それに対して、ステレオタイプは多くの人々に共有されますし、肯定的なものも含みますので、偏見とは確実に違います。
つまりですね、
ということでアンケートをとってみたんですね。
ボイストレーニング、アンケート結果公表!
このアンケートは、29人の男女(男性15人、女性14人)に無作為にお願いしました。ターゲットとしては、ボイトレを習っている生徒さん(2年未満の方々)です。
【以下の結果、氏名表示なしで公表可の許諾済み(2017年10月現在)】
結果をご覧になる前に、こちらの記事を参考にすると、より理解がしやすいと考えてリンクを貼っておきます。
▼初心者の方はこちら
▼総括(ボイトレの項目のこと)
歌うためのボイトレ(音楽系)
第一位が発声・響きで23%
良い声を出したい。声量をつけたいなどです。最近では
と素朴な感じで言ってくる方がいらっしゃいます。
このサイトで何度も伝えていることですが、良い声で歌う正解はひとつではありません。
そもそも良い声の定義が違いますし、あなたの身体の硬さ柔らかさ、筋肉のつき方、顎の骨格などから判断して、メニューを変える場合も多々あるからです。
あなたに応じた正解を一緒に見つけましょう。
次に声音域の18%
3オクターブを出したい。歌で高い声を出せるようにしたいなどです。
三番目に音程の17%(項目の音程の中には、コーラスも含まれています。)
いわゆる音痴を治したい。音の外れを治したいなどですね。
この3つで半分以上を占めています。
音楽系のボイトレにもかかわらず、昔から言われてきているボーカリストは身体が楽器であるといったこと。これはこのアンケートには反映されませんでした。身体づかいが6%しかなかったからです。
また、呼吸に関しても12%の回答でした。これはある意味致し方ないことかなと判断しています。
何故なら、ボイトレ以外にジムやリラクゼーションで呼吸のことをいわれることが、とてもとても多くなってきたからです。腹式呼吸、胸式呼吸問わずに●●呼吸法なんて多く目に留まりますよね。
ボイトレ=呼吸
確かにそうです。ですがこういったステレオタイプの考え方は、ヨガやリラクゼーション法のおかげで無くなりつつあります。
意外だなぁと感じたのが、リズムと発音・滑舌がそれぞれ6%ずつだったことです。もう少し数字が伸びるのではないかと考えていたからです。
後の話す・読む(発話発語系)の項目のところでも詳しくお話ししますが、リズムと発音・滑舌は切れない関係にあるんです。
発音や滑舌を良くするということは、唇や舌を柔らかくすることで、あなたの発声をも助けてくれるのです。
音楽の3要素は、
- リズム
- メロディ
- ハーモニー
他の音楽理論の本には、メロディが一番先に載せてあることが多いでしょう。でも僕は、
と思っています。
話す・読むボイトレ(発話発語系)
続きまして、話す・読むボイトレ(発語発話系)のアンケート結果です。
第一位が発音・滑舌で33%
これはもう予想通りでした。昔からの話し方教室のイメージがあるのでしょうか?
話しことばボイトレといえば滑舌を良くする、早口言葉などが候補に挙がってきます。
ただ、そこには、やはりリズムが土台にあると言っておきましょう。
言葉のリズムという言い方がありますよね。
それは日本語のモーラ拍を中心として高低アクセントで音をつないでいく言語。
英語のように音節単位で幾つかの音のかたまりで話す強弱アクセントの言語。
中国語のように四声(しせい)で意味を区別する声調アクセントの言語。
全て根底には、その言語特有のリズムがあるといってよいでしょう。
今回、リズムに関しては0(セロ)!!!
リズムは、いちばん割合が多い発音・滑舌と関係が深いのです。リズム中心でいくと滑舌が良くなる事例をいくつも見てきています。
う~ん、なんとも・・・。
そして、ナント!第二位と第三位は同率です!
呼吸の19%
発声・響きの19%
朗読のレッスンで、息の流れに声をのせる(あくまでもイメージです)。息遣いで「(かぎ括弧)」の台詞を発話する時に
と、煩く(笑)伝えていますので、発語発話系の話しことばや朗読の場合、呼吸と発声を結びつけている回答となったのでしょうか。
面白いなあと感じたのは、身体づかいが9%。
音楽系では6%でしたが、発話発語系では3%ほど増えて9%います。
アンケートに答えてくれた方の中に役者さんが一人いました。
役者といえば、舞台だろうが映像だろうが、まずは身体がメッセージメディアということを痛いほど分かっている方たちですね。
残念だったのが声音域。リズムと同じで0%でした。
声音域は話しことばでのイントネーションに相当します。話しことばの音域がどのあたりで話されているのか?調子のよい時と悪い時はどうか?
このように感じています。
現状の課題に目が向いている人もいる
初心者の方の中には、現状の課題に目が向いている人も4人いました。
そういった方は、自分が課題にしている項目を迷わず挙げていましたね。例えば、
このように考えて回答してくれた方々は、
自分が今何をやらなければならないか理解しているのはもちろんのこと、
達成できるまでの距離感をどれだけの期間で行なうのか?
といった計算が出来るか出来そうな人です。
これまで見てきたように、これらの項目は単独で独立しているのではなく、結びついていることも忘れないようにしましょうね。そうでないと、点から線に繋がっていきませんので、くれぐれも気をつけてくださいね。
以上、音楽系上位3つ、発話発語系上位3つ、計6つの事がボイストレーニングでイメージしやすいという結果でした。
このアンケートの結果は、僕ら教室側も良い気づきとなるように、次に生かしていかなければなりません。ご協力いただいた方々、今一度ありがとうございました。