日本文化として「カラオケ」が「KARAOKE」として逆輸入されてどの位が経つのでしょう?アニメと同じように日本文化の代表格となっている「カラオケ」です。
とは言うものの、ほとんどカラオケに行ったことのないという人もいらっしゃるでしょう。
今回は、歌うことのメリットをお伝えいたします。とはいえ、ありきたりの内容ではお伝えしません。
- 健康になる
- 少しでも歌が上手くなる
- などなど
このような、よくある切り口からではなく
という切り口から話を進めますね。
歌う声も、話す声も、読む声もリンクしている♪
このことを理解してもらうために、歌う声と、話す声と、読む声の同じ部分と違う部分を押さえておかないとなりません。
同じ部分 | 違う部分 | |
歌う声 | ||
話す、読む声 |
ここでは敢えて答えは出しません。是非あなた自身で考えてみてくださいね。また、ボイストレーニングのレッスンを行なっているあなたは、トレーナーに対してこの件を話題にしてみるのも良いでしょう。
ヒントとなることを上げておきましょう。
- 音域は?
- メロディ(高低)は?
- リズムは?
- 音の伸ばし方や切り方は?
- 強弱は?
- 音色は?
このように見ていくと、音楽の要素や声の要素と被りますね♪
▼声の要素
少し厳しい言い方になりますが、歌わない人は、この土台すらまとまっていません。さらに歌っていないから「歌(そのもの)」が分からない。
そこでやってしまうことがあるんです。
「歌わない人」がやってしまう残念なコト(音楽編)
まずは、音楽編からこのふたつを・・・
1.ボーカリストを泣かせてしまう作曲家
これ、作曲家がとても素晴らしい曲を作った。そして、楽曲提供されたボーカリストが泣きながら歌った、
ということではないんです!
その全く逆です!ww
そうなんです。ブレス=息継ぎの難しすぎる曲を作ってしまう作曲家がいることも事実です。そういった人ほど、歌ったことがほとんどないんです。
音が鳴っていないところも時間は流れています。そこに絶妙な休符が存在するとき、歌い手の個性(そして個声)の準備が成され、次のフレーズ入口、声の出だしで印象の度合いが決まります。
作曲家の中には、歌えないという方もいらっしゃるかと思います。ここまでDAWやDTMが一般化するまえは考えられないことでした。まぁ、歌えないから曲を作るという動機は理解できます。ただ、その「歌えない」というのは、「歌が下手だから」というのとは同じではないと思うのです。
曲を作るあなたこそ、どんどん歌っていただきたい。それが、オリジナル曲制作に対して腰が引けているボーカリストへの励みとなるからです。
2.ボーカリストを泣かせてしまう楽器プレイヤー
時々お目にかかります。歌を無視して弾いてしまうキーボーディスト、歌が落として歌いたいのにデカい音でフィルを入れるドラマー(次のフレーズが盛り上がるんだったら別だけど)、ボーカルが予定のMCを終え次の曲に入りたいのに、チューニングに時間のかかっているギタリストなどです。
このような方たちに共通して言えることは、
音のエチケットを経験しなくてはいけない
ということです。
- その楽器を弾きたいのか?
- アンサンブルをしたいのか?
インスト(インストゥルメンタル)で演りたいにしろ、ボーカルをバックに弾きたいにしろ叩きたいにしろ、必ずボーカルと一緒に合わせてみる事です。
今、何となく感じている、ボーカリストと楽器プレイヤー、製作者との見えない壁、それが他の立場を理解することで演奏、歌、ひいてはパフォーマンスの活性化に繋がれば嬉しいなと考えています。
「歌わない人」がやってしまう勿体無いこと(話し言葉編)
続きまして、話し言葉の分野です。声優さんは歌うことと発話することを学んでいますので、対象外なんですが、こんな方たちはどうでしょう?一度立ち止まって、見つめ直してみましょう。
自分自身が好きな曲を歌って、発話と比較した方が納得できる部分もたくさんあるからです。
1.表現力の引き出しの少ない、または修正能力の少ないナレーター
最近ほんとに多いです。
融通が利かない
というか・・・。プロ志望であれ、楽しく朗読したい人であれ、何とかプレゼンを乗り切りたい人であれ、僕は根本は同じだと考えています。
生徒さん側で融通が利かない理由は、僕らトレーナー側指導者の責任でもあるんですが、教わる側も今一度考えていただきたいんですね。
このような方たちに共通すること、それは、イントネーションがアクセントにかぶさる形で出てくる発話がノーマルということを体感出来ていません。
この基本を表現のノーマルコンディションにしていないために、ディレクターやプロデューサーから直しやダメ出しが入った時、対応できなくなるのです。アクセントの違いが把握しにくかったり、基本である尾高型と平板型の区別がつかなかったり。何だか「変な?」プロミネンスのついた発話、フレーズのおさまりがオカシナ発話になってしまったり…。
2.頑なに自分のやり方に固執してしまう人
2.のような人は、声以外にコミュニケーションスキルとしての課題がある。そう見て取れます。このような方も歌いたがりません。話し言葉や読む分野での体験レッスンに来た方でも
と訊くと
と、頑なに拒んでしまいます。
その人のコミュニケーション能力や、性格の部分もあるので、何とも言えません。1回の体験レッスンや数回のレッスンでは、その人の性格やコミュニケーションの仕方まで判断することは難しいと感じています。
その人の心の状態や性格、深い部分での癖を知るには、少なくとも3ヶ月から半年、いえ1年近くかかる場合もあるからです。いえいえ、それでも表面上のお付き合いだけでは分からないことの方が多いでしょう。
また、いろんな方法を試してみたが改善(あえてこの言葉を選んで載せておきます)が難かった言語聴覚障害者。
例えば、吃音の方が歌うと連発、難発が無くなること、フレーズ入口でハミングをすると3つの中核症状が減ることは、昔から言われていることです。
歌は話し言葉以上に息の流れを必要とします。加えて、音域も話ことばより広く高く設けられている事実は、ちょっと考えれば分かることですよね。
歌ってみましょう。
歌う声、話す読む声に違いはあるのか?
これは当教室の方針でもありますが、歌、話す、読む、伝える伝わる。広い意味で「声」というあなたの道具を育んでいくサポートをしております。
もちろん歌う声と話す声の違いはあります。ただ、
良い声を作るための身体づくり→肺から空気が声帯を通る→
喉頭原音として音の元が作られる→共鳴
このプロセスは、音楽の分野、発語発話の分野にかかわらず同じです。
というあなた、とりあえず「ヒトカラ(一人でカラオケ)」でもよいので、まずは好きな曲を歌ってみてください。ここからスタートです。